THANKS FOR

音楽好きは年代や国 境を越えて仲良くなる(鳴る?)ものです。私自身の内輪ばなしで恐縮ですが、高校生の時にブラスバンド部に所属してから、大阪日本橋の上新電機さんで初心者向けのジャズのレコードを二枚買ったのがその始まりでした。それからは実家近くののジャズ喫茶に入り浸り。京都に来てからは沢山のジャズバーで数多くの師匠、先輩におすすめやアドバイスを受け、少しづつ良い音源、音楽を再生できるように遊んできました。
 
今は無き天王寺のジャズ喫茶『TS』。分厚い事務用バインダーに美文字で手書きされたリクエストノート。高校時代ハードな初心者ジャズをここで堪能させて頂きました。
このバインダー、いったい何人の人が触ったんだろう。
 
ラッキーな事に実家のある商店街のレコード店主『M』氏がジャズマニア。おすすめのレコードを的確なアドバイスで購入しつづけ、おまけに早くもA5の音を頭に叩き込むことが出来ました。
 
上本町のジャズ喫茶 『P』。週4日は通ってた学生時代。そこは大阪のレコード専門店とのコネがあって、いい内容のレコードばっかし揃えてたので、いままで雑誌をたのみに聞い ていた私に取ってはコレクションの幅を広げるいい勉強になりました。そこで会ったお医者さんから海外オークションの方法を教えてもらい初心者の私は、落札しすぎて大変な 目にあったっけ。もちろんインターネットなんて無い時代の事です。
 
京都に来てからは今は亡き『A』さんの店。悲しすぎて書けないけど『コレクター道』を教わりました。氏おすすめの『ワルツフォーデビー』を7,8枚並べて氏と記念に撮った写真、探さないと・・・
 
そこから教わった京 都のレコード店『H』敷居が高かったけどA氏のおかげで顔なじみにしてもらいました。レコード店『H』は全国でも指折りのジャズSPを仕入れるお店。そん なわけでsp初心者の私も蓄音機を購入しSPの道に突入!お勧めで購入したパーカーのGUILDのSHOW NAFF。あれぞ最速の演奏と今でも思う私。
 
そのHレコード店においてあったチラシで新しいジャズ喫茶、バー『M』の常連に。
そこで、いままで馴染めなかったオーナーおすすめのスィングジャズにやっとこ開眼。
モダンジャズに比べてシンプルで気取ってない事が解ってきました。
 
その『M』で、今でもお世話になっているオーディオ博士『K』さんと知り合いに。
オーディオは何百万かけても答えが見つからない厄介な世界。
まして私はオーディオに関しては初心者にケが生えた程度の知識しか無く・・・
オーデイオは何度も買い直さないとなかなか納得いく音が出ないもの。
そんな遠回りを回避、(というより自力、自費ではたどり着けませんでした。)できたのは『K博士』さんのお陰。
そして、氏から提供頂いた、このおすすめのオーディオシステムが無かったらそもそも『音楽を聴かせる店』を開くという結論にはいたらなかったと思います。
当店の音はそのK博士のラボ『Emission Lab』の全面監修をいただいております。
 
もう一つのレコード専門店『H』。ここの店主とは波長があいすぎて食事をごちそうになったり、在庫が多いので欲しかったレコをスグ出してくれたり今でも仲良く接して下さいます。新譜の仕入れは関西NO.1です。
新譜と言えば新譜もがんばってた梅田のレコード店『M』さん。ご冥福をお祈り致します。
 
『お酒』といえば、縁あって内装工事をさせていただいたスパニッシュバー『V』店のマスターには洋酒のことを沢山教えて頂き、美味しい水割りの作り方やワインの温度管理はたまた仕入れの酒店もご紹介して頂く事に。
 
そんなこんなでこの お店の開店とはラッキーすぎる私のリスニング人生の賜物でして、、そこでこれからは、その賜物(私が感じてきた音と音楽)を皆様に色々なお酒とともに楽しんでいただける様に、していければ良いのかなと思っております。(平成25年3月13日旧店開店日天赦日記す)

私の考えるレコード再生


モノラル礼賛

弊店でモノラルレコードを聴き、その音質に感嘆する方も少なくありません。
なんでこう良いのかの説明を求められる時もあります。
でも実際、大変複雑な話でして。。。
徒然にモノラル再生についてお話ししたいと思います。
長年レコードコレクター、プチオーディオマニアとして音質を追求し、たどり着いた最高のレコード再生術です。


なぜステレオよりモノラルレコードが良いのか?

THE BEATLES ABBY ROAD


このレコードを取り上げる理由にはかなり込み入った話があります。

このディスクは1枚目の写真の前所有者の年月のサイン(発売日!)と、2枚目のpatne marconi made in france と有るようにフランスプレスの初版と判断できます。最初のオーナーは心待ちにして買ったんでしょうね。うらやましい。


さてまず第一に何故、アビーロードにモノラルプレスが存在するのかという話です。常識では英盤ホワイトアルバムまでがモノラルプレスが有り、以降はステレ オプレスのみしかありません。ところが3枚目の写真にあるようにこのレコードはモノラルでも再生できますよと書いてあるのです。



フランスモノラル盤


次にフランスがモノラル大国であるという事についてご説明します。

フランスにはジャズ、ブルースのレーベルでblack&blueと言うレーベルがあります。1960年初頭当りからCD移行期迄、かなりの hifi音質でスィング全盛期の往年の古いジャズミュージシャンのコブシの効いた演奏がはいっています。一時期かなりの枚数、おそらく100枚弱はコレク ションしておりました。そこで色々比較検討し確認できたのですが、60年代末までのレコードにはmono+stereoと両刀再生が可能なことを示す文字 が大きく書いてあるのです。さらに70年代のものでもモノラル再生でも差し支えない再生音がえられます。ですから仮説を立てて、フランスなら、ひょっとし て後期ビートルズのレコードでもモノラル再生可能プレスがあるのでは?と考えたのです。オークションでモノの表記も無かったけど、私、レーベル下部の表記 見逃しませんでした。かなりボケた画像でしたが。

モノラルの優位性


で、なぜこうまでしてモノラル再生にこだわるのかと言う点についてです。これは多くの方がジャズやロックでは聴感上モノラルの優位性を指摘している所ではありますが、私の仮説を申し上げたいと思います。you tube でliving stereo と検索すると1950年代末期の米RCA victor のステレオ再生に関しての当時の啓蒙ビデオが見れます。その中で、ステレオ針の動きを動画で示していますが、その動きたるやモトクロスコースを走る自転車 のごとく激しく上下左右に動いているではありませんか。それに比べてモノラル針の動きは、上下振動がなく左右に動いて振動をキャッチしているだけなので す。 自転車レースで言えばさしずトラックを走っている感じでしょうか。 もうおわかりかと思いますが、ピックアップは圧倒的にモノラルが有利なのです。 かくしてOH DARLINGを爆音モノラルで聞いている私です。



CDやテープには無いレコードの性

  • レコードの溝の幅は一定です。そしてご承知の通りレコードは針先でその溝を擦ることによって音が出ます。

そもそも楽器は、その筐体の大きさで音の高低が表現されます。
ヴァイオリンは小さいので高い音が出ます。コントラバスは大きいので音が低くなりますし、ギターの弦は細いと高い音、太いと低い音です。
この原理でいくと、レコードも溝を擦って音が出るわけですから、高音は細い溝幅で、低音は広い溝幅になります。
ですが針の細さは一定なので、溝幅が異なれば、うまくトレースが叶いません。
そこでレコードでは(CDでは関係のない話です)オリジナル録音の高い音を増幅し、低い音を減衰させて、音源を作り直しています。
試しにレコードをかけている針先に耳を近づけて聞いてみれば、増幅されている高音部だけがキンキンと聞こえてきます。
さてその音の加工のルールを「イコライザーカーヴ」と言いますが、そのイコライジングされたレコードを再生装置側で逆イコライジングを掛けて元のテープの音に戻してやって再生しているわけです。
何気に聞いていたレコードの再生にはこのような仕組みが隠されているわけです。
その装置がアンプのフォノイコライザーという回路部分になります。
 
そんなことどうでもいいやんか、と聞こえてきそうですが、これが実は非常に重要で古いレコードを良い音(録音そのままのバランス)で聴くのに、欠かせない知識となります。
また古いレコードの再発盤CDが極端に悪い音の原因の最大の理由でもあるのです。
 

  • Turnover・・・基準の1kHzのレベルと低域方向に立ち上がっていく6dB/oct(緑の斜線)の交点。
  • Lowlimit・・・低域の上昇を制限するものでこの6dB/octの直線との交点(上表の「50Hz(+20dB)」は50Hzで+20dBという意味ではない)
  • Rolloffと・・・高域の-6dB/octと基準のレベルとの交点。


モノラルレコードを正しく再生するポイント①

正しくイコライジングする

モノラルLP全盛時には、先ほどお話ししたようにイコライザーカーブがまちまちでした。これは大変困ったことです。おさらいすれば、レコード会社が独自にイコライジングしたレコードを再生側でいちいち適正に戻してあげる必要がありますが各社バラバラ。写真は古いアンプのマッキントッシュ Mcintosh C20ですが、下段つまみの左から二つ目と三つ目がイコライジングを戻してあげるつまみがちゃんとついてます。
RIAAとはその後ステレオ時代に入り、現在に至るまで統一されるカーブです。LPとはコロンビアの規格、TAPEはオープンリールを再生するときに使ってくださいということです。その他低音の減衰には300とか400、高音の引き上げには−5、−10とかの表示が見えます。これらは他のカーブ、すなわちDECCA、RCA、AES等他社への対応に必要です。
 

現在のステレオ装置のカーブ補正は、自動的にRIAAになっており、セレクトする余地はありませんので、RIAA以外のモノラルレコードは正しく再生できないという事になります。

正しいカーブで再生しないと、やたら低音が強調されていたり、高音が聞こえなっかったりします。

何より適正なカーブで再生すると自然な音に聞こえます。

特にクラッシックにおいてはヨーロッパが録音の本場ですから、モノラル盤ではRIAAなんかは全くと言ってほど使用しておらず、DECCAカーブがほとんどです。RIAAとは、アメリカの規格です。以下ウィキペディアより。

アメリカレコード協会 (英: Recording Industry Association of America, RIAA) は、アメリカ合衆国のレコード会社による業界団体である。多数のレコード・レーベルや配給会社が加盟しており、アメリカ全体の流通量の90%を占めている。日本語での表記は「全米レコード協会」、「全米レコード工業会」「米レコード産業 協会」などもあるが、ここでは日本レコード協会が採用している表記を使用した。

レコード技術の標準化を目的に1952年に設立され、1954年に米RCA社が開発したLP・EP用の録音・再生カーブであるNew OrthophonicをRIAAカーブとして規格化した。

 

ヨーロッパ盤のクラッシックではモノラル盤が低級な扱いされていますが、それはとんでもない誤解で、正しく再生すると恐ろしく豊かな音が詰まっているのです。


モノラルレコードを正しく再生するポイント②

上下動のしないカートリッジを使う

ビートルズのアビーロードのところでお話ししたように、ステレオの針は左右だけでなく上下に動くことによって、音の溝のトレースに不具合が生じます。
しかしモノラルのカートリッジでも、現行商品の大半は、このステレオカートリッジと同じダンパー構造を採用しています。
つまり上下振動してしまっているのです。
これでは、左右からのステレオの音を単に一つにミックスしているモノラル再生と変わりはありません。そういうことに意味があるのでは無いのです。
あくまでも上下振動しないことによって圧倒的にトレースが有利ということで迫力のある再生音が得られるわけです。
上下振動するモノラル針の代表格が、略称でしかかけませんが102とか、ATMOです。
高額商品のOF社のMONOカートリッジも上下動します。
みなさん最初にこれを買っちゃいます。(私も例外ではありませんでしたが)
モノラルカートリッジの現行モデルで上下振動しない機種です。
・EMT OFD25(専用アームが必要且つ大変高価)
・音のエジソン(ガレージメーカー)一連のモノラルシリーズ(未聴だが興味深い商品)

入手しやすいのは画像の往時の品物のデッドストックや中古品です。
・GEバリレラ(店主愛用品、安価でストックも針のバリエーションも豊富)
・DECCA(多分ヨーロッパ盤にフィットするのだが、希少品)
・PICKERINGやGOLDRING(店主は興味津々である)

また針の太さも重要です。
ステレオ針の太さは0.7mil(1milは0.025mm)ですが、モノラルは1milの針もありますので、レコードの溝に合わせて使い分ける必要があります。
これもとっても大切なことです。

イコライジングもデタラメで、上下動する針でモノラル盤の本来の凄さは引き出せませ無いのです。


1970年代のモノラル盤・クラシック編

CHOPIN NOCTURNES (瑞PHILLIPS) 

モノラルとステレオ。何のことはなく一つから聞こえるか、二つから聞こえるかだけの話なんですね。もともとは。

それがレコードの話となると前述しましたようにその発展段階で付随してくる話があってややこしくなります。

 

ここではジャズ、ロック、クラッシックの比較的新しい年代のモノラル盤についてお話ししたいと思います。

 

モノラルとステレオが併売されていた1958年頃から1975年くらい迄のソフトの話になります。

とはいえ、現代のCDでもオリジナルステレオ盤からのモノラルミックス盤とか出されるくらいなので古くて新しい話でもあります。

NIKITA MAGALOFF

まず1975年くらいまでと先ほど書きましたが、そんな時代迄モノラルってあったのかというお話です。

 

1975年、オランダフィリップス社が発売した、ニキータマガロフのショパン、ノクターンです。ジャケットの裏にalso playable on monoと記載されています。つまりステレオ全盛の時代にもモノラルで再生する意義、価値を見いだしているのか、はたまたリスナーのシステムで厳然とモノラルシステムを使用していたユーザーを意識しているのでしょうか?

ちなみにオランダフィリップスはクラシックでは非常に優秀録音で定評のあるブランドです。

つぎにジャズで見てみましょう

1970年代のモノラル盤・JAZZ編

MELLOW MOOD (独MPS)

オスピーの一連のMPS録音の一枚です。こちらは表ジャケットの右上にauch  mono abspielbarとささやかに記載されています。MPSの前身はSABAレーベルで、大手電機メーカーのレコード部門です。SABA本体はアメリカ企業に買収された為、数年で終了しますが、レコード部門だけSABA電機の創始者ハンス・ゲオルグ・ブルナー=シュワー(Hans Georg Brunner-Schwer)にMPS(Musik-Produktion Schwarzwald)として引き継がれます。

なんか本業を売却したお金で、自分の好きな事だけをしたという感じが見え見えではあるのですが、とにかくそれだけJAZZ好きだったという事です。なかでもオスピーには心酔していたようで、自宅の招いてライブ録音してたくらいです。

OSCAR PETERSON

オスピーのリーダーが、たしか10タイトルくらいありますがその中の一枚。1969年の録音です。肝心なのは、前身のSABAは基本ハイファイのステレオブランドなんです。
電機メーカーですから。
でも実はauch mono abspielbar でモノラル再生を重視していたわけです。

ここのところが重要なんです。
肝心なのはモノラルで聞けるようにしてあるという事です。




1970年代のモノラル盤・ロック編

いよいよロックです。ロックはモノ盤ですモノ。レコードもモノ盤がステレオ盤に比べメチャ高いです。丁度最近ヤフオクでストーンズのベガーズバンケットの初版のモノとステレオが両方出品されていましたが落札価格はモノラル盤が倍の価格になります。(ちなみにクラシックはステレオ盤がモノにくらべてメチャメチャ高いです。酷いのは50倍位しますからマジで。)

さて上記のヨーロッパモノラル文化を踏まえていただいた上で、ロックの有り得ないモノラルシリーズです。

ちょっと画像も思わせぶりにしてみました。

(仏)TAMULA MOTOUN

まずは、その後のPOPに多大な影響をあたえたコチラもモノラルで。

(仏)PATHE MARCONI

これは、モノラルで聞きたいファンが多いかも。

(仏)APPLE

大御所のこんな名盤までモノラルが。